弁護士・税理士 岩本尚光|賃貸オーナー・大家さんの法務と税務を一つの窓口で
不動産所得の税務の基礎
家賃収入の税金は、収入から経費を引いた不動産所得に、他の所得と合わせて所得税がかかります。減価償却、修繕費と資本的支出の区分、青色申告の要件、損益通算の制限、消費税の課税・非課税を押さえると、申告の見通しが立ちやすくなります。税理士として、オーナーが最初に知っておきたい基礎を整理しました。
Worriesこんな疑問に答えます
何が経費になるのか
固定資産税、損害保険料、管理委託料、修繕費、借入金の利子、減価償却費、税理士報酬などが経費です。自宅と兼ねる費用は按分します。
減価償却がよく分からない
建物と設備の購入価額を耐用年数で分けて経費にする仕組みです。木造22年、RC47年が法定耐用年数で、中古は別の計算になります。
青色申告にすると何が違うのか
最大65万円の特別控除、赤字の3年繰越し、専従者給与の経費計上などが使えます。事業的規模(5棟10室)かどうかで内容が変わります。
申告の準備をいつ始めればよいか
1月から12月の収支を翌年3月15日までに申告します。年の途中で記帳を整えておくと、申告直前に慌てません。
Basics不動産所得の計算と減価償却
不動産所得=収入−必要経費
家賃、共益費、礼金、更新料、駐車場代が収入です。敷金は原則収入ではなく、返還しない部分が確定した時点で収入になります。
建物と設備の区分
建物本体と、給排水設備・電気設備などの附属設備は耐用年数が異なります。設備を分けて計上すると、初期の減価償却費が大きくなることが一般的です。
法定耐用年数と中古
木造住宅22年、鉄筋コンクリート47年が法定耐用年数です。中古は簡便法で短い年数になることが多く、法定耐用年数を超えた木造なら4年が目安です。土地は減価償却しません。
修繕費と資本的支出
原状回復や維持のための支出は修繕費で、その年の経費です。機能を上げたり耐用年数を延ばしたりする支出は資本的支出で、減価償却します。事案で判断が分かれます。

Rules青色申告・損益通算・消費税
青色申告と事業的規模
5棟10室以上なら事業的規模とされ、複式簿記と電子申告などを満たせば65万円の特別控除、専従者給与の全額経費、貸倒損失の全額計上ができます。それ以外は10万円の控除になります。
損益通算と土地利子の制限
不動産所得の赤字は給与所得などと通算できますが、土地取得の借入金利子の部分は通算できません。建物と土地の借入の内訳を整理しておきます。
消費税の課税と非課税
住宅の家賃と共益費は非課税です。店舗・事務所の家賃、駐車場(住宅に付随するものを除く)、住宅以外の礼金・更新料は課税で、課税売上が1,000万円を超えると課税事業者になります。
確定申告の年間スケジュール
1〜12月が計算期間で、2月16日〜3月15日に申告・納付します。青色申告承認申請は3月15日まで(新規は開始から2か月以内)、予定納税は7月と11月が目安です。静岡でも、記帳を月ごとに整えるオーナーは申告が短時間で済んでいます。
Work弁護士・税理士がすること
- 収支の整理と記帳、建物・設備の区分と減価償却の計算
- 修繕費と資本的支出の区分の判断と、工事の見積もり・請求書の確認
- 青色申告承認申請、専従者給与の届出、確定申告書の作成と電子申告
- 損益通算の計算と、土地利子の制限の確認
- 消費税の課税区分の整理と、インボイス登録の要否の検討
- 滞納家賃の貸倒れや契約トラブルなど、法務と税務が重なる場面での一体の対応
Caseよくある事例
中古の木造アパートを購入し、初めての確定申告で迷った
築28年の木造アパートを購入した初年度に、減価償却と修繕費の処理が分からないとご相談を受けました。売買契約書と固定資産税評価額をもとに建物と土地を区分し、建物の耐用年数は簡便法で4年と整理。購入直後に行った外壁塗装は修繕費、給湯器の交換は附属設備として減価償却に分けました。青色申告承認申請を期限内に提出し、翌年以降は月ごとの記帳を整える形にしました。
※よくあるご相談をもとに構成したもので、特定の実際の事件ではありません。
FAQよくある質問
サラリーマン大家でも青色申告はできますか
中古アパートの耐用年数はどう決めますか
外壁塗装は修繕費になりますか
赤字が出たら給与と相殺できますか
店舗や駐車場の家賃に消費税はかかりますか
物件を買ったら、申告の前にいちど整理しておきましょう
売買契約書、借入の明細、工事の見積もりをお手元に。減価償却と経費の区分の目安をその場でお伝えします。オーナーの初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。
オーナーの初回相談は60分無料(2回目以降は30分5,500円・税込)。顧問契約を前提にしない相談でも構いません。事務所:静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)。ご相談は予約制で、来所・オンライン(Zoom)・電話のどれでも。夜間・土日の予約もできます。
弁護士・税理士 岩本尚光(弁護士法人HOPE法律事務所/静岡県弁護士会/税理士登録)|事務所:〒420-0858 静岡県静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)|対応:静岡県内のオーナーを中心に、オンラインで全国