弁護士・税理士 岩本尚光|賃貸オーナー・大家さんの法務と税務を一つの窓口で
滞納から明渡しまで
家賃滞納は、1か月目の督促から、内容証明、契約解除、訴訟、判決、強制執行へと段階を踏んで進みます。各段階で何をして、どのくらいの期間がかかるのかを時系列で整理しました。鍵の交換や荷物の搬出は裁判を経ない限り違法になり得るため、順番を知っておくことが損失を小さくします。
Worriesこんな疑問に答えます
いつから解除できるのか
法律に月数の定めはなく、裁判では滞納3か月程度と催告が一つの目安と言われます。1〜2か月では解除が認められにくいことが一般的です。
内容証明の次に何をするのか
催告の期限が過ぎれば解除を通知し、退去しなければ訴訟です。段階を飛ばすと手戻りになることがあります。
どのくらいで部屋が戻るのか
督促開始から強制執行の完了まで半年〜1年程度が目安ですが、事案で変わります。和解で早く終わることもあります。
保証会社がいれば任せてよいのか
保証会社は家賃の立替えと督促を行いますが、明渡し訴訟の原告はオーナーです。役割の分担を確認しておきます。
Timeline滞納1か月目から強制執行までの時系列
- 滞納1か月目|督促と記録
電話・文書で支払いを求め、日時と内容を記録します。保証会社が付いていれば、契約で定められた期限内に通知します。この段階では解除はできません。
- 滞納2か月目|文書での催告
書面で期限を区切って支払いを求め、入居者と連帯保証人の双方に送ります。分割払いの合意に至れば、和解書に期限の利益喪失の条項を入れます。
- 滞納3か月目|内容証明と解除
内容証明で催告し、期限内に支払いがなければ民法541条にもとづき契約を解除します。信頼関係破壊の法理から、この程度の滞納が解除の一つの目安と言われます。
- 解除後1〜2か月|訴訟の提起
退去しない場合、建物明渡しと滞納家賃の請求を裁判所に提起します。訴状の送達や期日の指定に1か月程度かかることが一般的です。
- 提起後2〜3か月|判決または和解
入居者が出頭すれば退去日と分割払いを定める和解になることが多く、出頭しなければ判決になります。判決後、仮執行宣言があれば執行に進めます。
- 判決後1〜2か月|強制執行
執行官に明渡しの催告を申し立て、約1か月後に断行します。残置物は執行官の管理で搬出・保管され、その費用はいったんオーナーが予納します。

Basics進める前に知っておきたいこと
自力救済は禁止
鍵交換、荷物の搬出、電気・水道の停止は、裁判を経ない以上は違法になり得ます。損害賠償の対象になり、刑事上の問題になることもあります。
保証会社と連帯保証人
保証会社は家賃を立て替えますが、明渡しの原告はオーナーです。個人の連帯保証人には、2020年4月以降の契約では極度額の定めが必要で、ない場合は無効になります。
少額訴訟と支払督促の使い分け
どちらも金銭の請求に限られ、明渡しには使えません。退去済みで60万円以下なら少額訴訟、相手が争わなさそうなら支払督促、という使い分けが一般的です。
記録が結果を左右する
督促の日時、入居者の返答、受け取った金額を残しておくと、解除の有効性と訴訟の進み方が変わります。静岡でも、記録が整った事案ほど和解が早い傾向があります。
Work弁護士・税理士がすること
- 督促の記録の整理、内容証明による催告と解除の通知の作成・発送
- 入居者・連帯保証人・保証会社との交渉、分割払いの和解書の作成
- 建物明渡し請求訴訟の提起と期日への出席、少額訴訟・支払督促の選択
- 判決・和解にもとづく強制執行の申立てと立会い、残置物の処理
- 回収できなかった滞納家賃の貸倒れ処理と確定申告への反映
Caseよくある事例
督促の記録がなく、解除の時期で迷ったアパートの滞納
滞納が5か月に及んでいたものの、口頭で催促しただけで記録がなく、どの時点で解除してよいか分からないとご相談を受けました。これまでの経過を日付入りで整理し、内容証明で催告と解除の通知を送付。入居者から分割払いの申し出があったため、期限の利益喪失の条項を入れた和解書を作り、約束が守られなかった時点で訴訟を提起しました。和解で退去日を定め、提起から3か月で部屋が戻りました。
※よくあるご相談をもとに構成したもので、特定の実際の事件ではありません。
FAQよくある質問
滞納が1か月のうちにできることは何ですか
内容証明は自分で出してもよいですか
少額訴訟と支払督促はどう違いますか
訴訟中に入居者が一部を払ってきたらどうなりますか
強制執行の費用は誰が負担しますか
滞納が2か月を超えたら、記録を持ってご相談ください
契約書と督促の経過が分かるものをお手元に。どの段階にいて、次に何をすべきかをその場でお伝えします。オーナーの初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。
オーナーの初回相談は60分無料(2回目以降は30分5,500円・税込)。顧問契約を前提にしない相談でも構いません。事務所:静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)。ご相談は予約制で、来所・オンライン(Zoom)・電話のどれでも。夜間・土日の予約もできます。
弁護士・税理士 岩本尚光(弁護士法人HOPE法律事務所/静岡県弁護士会/税理士登録)|事務所:〒420-0858 静岡県静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)|対応:静岡県内のオーナーを中心に、オンラインで全国